七月
季節の循環を担う、人の姿をした人ならざる十二か月たち。
誰もいない部屋で目覚めた七月を待っていたのは、恋人である六月からのラブレターだった。
もうきっと、二度と会えない。
触れ合うことのできない恋人の、あちらこちらに散らばる残り香に絡めとられそうになりながらも、
七月はそれを振り払い、自分の季節、使命のため、外の世界へと飛び出していく。
抱擁の代わりに六月の慈雨を。
接吻の代わりに七月の眩しい、夏の日差しを。
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季節の循環を担う、人の姿をした人ならざる十二か月たち。
誰もいない部屋で目覚めた七月を待っていたのは、恋人である六月からのラブレターだった。
もうきっと、二度と会えない。
触れ合うことのできない恋人の、あちらこちらに散らばる残り香に絡めとられそうになりながらも、
七月はそれを振り払い、自分の季節、使命のため、外の世界へと飛び出していく。
抱擁の代わりに六月の慈雨を。
接吻の代わりに七月の眩しい、夏の日差しを。