パノラマ寓話

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アカツキ

   



聞いた
気がした

僕は手を伸ばす
遠い明け方に 光をまだ、覚えていた頃に

ゆれる髪を指で絡め取ってくちづけした
どこまでも直線で生きていけると思ってた
甘い水色の空 君の髪が揺れてた

いくつの空を越えたんだろう
遠くで赤いサンレンが鳴っている
朱鷺色の世界が滅びていく世界を教えるみたいだ
僕はゆっくり 泳ぐみたいに子午線をまたぐ

アカツキに君はいない

 - poem