パノラマ寓話

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幸福論

   

透明な冷気の中で
しゃんと背筋を伸ばして
吐く息の白さが
まるで子供の頃に戻すようで
少し 笑った

君との約束にはまだ早い
君が笑ってやって来るように
そっと両手で祈った

僕はね
虫も殺すし牛も豚も食べるよ
決して綺麗な人間なんかじゃなくて
それは君も同じで
僕達は屍の上で手を繋いでる

死を押し付ける僕らに
幸せは必要か?

だけど僕は幸せでいたいよ
そのためにも君に幸せでいて欲しいよ
君が幸せになれるもの全てに
幸せが注がれるように願うよ

寒空の下
真っ赤なマフラーをした君がやって来た
さぁ
今日は何処へ行こう?

 - poem