パノラマ寓話

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パノラマ

   

ST330393

轟音の果てに拓ける世界
見えていなかったものが
真っ黒に塗りつぶされ浮き彫りになる
耳を塞いでいた手を
君がそっとはがした

空は青いと思っていたんだ
でも
その奥の奥に
暖かい暗闇が揺れていた

見誤った世界を捨てて
剥がれ落ちた古い皮膚は風に舞い上る
薄く透けた視界の向こうには違う世界
手を伸ばせばそこへ届くなんて信じちゃいないが
君の実在と声があれば
僕はそれだけで
あらゆる怖れを超え 飛び込んでゆける

 - poem