パノラマ寓話

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少女は夜に咲き急ぐ

   

冷たい声に
頬をなぶる季節変わりの風に
いつまでもこのままじゃいられないと叫ぶ君に

私は腐った花を投げつけて
走って 走って 走った

眠ってしまった君の横顔があまりにも透明で
この足を受け止める地面の確かさが嘘みたいで
ずっと君のそばにいると笑う他人の笑顔が歪んで

私は顔を覆って
逃げる力も持てずに立ち尽くす

この世界で途方にくれて
それでも私の肺は酸素を欲し
心臓は動き続ける
それもまた希望の一つだと笑う誰かの声
私は笑顔を取り繕って
君の暖かい手の残酷さに無力を知る

 - poem